蚕の卵からの飼育

卵の孵化の観察

卵の孵化(目標孵化温度25℃~26℃、湿度75~80%)
目標孵化温度で10日~14日が標準的な孵化日数です。 
養蚕に飼育する一代交雑種は、二代目、三代目と飼育しますと、卵を経て伝わる病気や、遺伝的(いでんてき)に正常な蚕が孵化(ふか)しない事もあります。

日程卵の状態孵化作業と卵の様子
前年産卵
の保管卵
越年卵
(休眠卵)

産卵し室内保管しました蚕の卵は12月頃にタッパやビニール袋に入れて乾燥を避け冷蔵庫(冷蔵室3℃~5℃前後)に2ヶ月以上冷蔵保管します。
人工越冬状態にすることにより目的の日に冷蔵庫から出して休眠状態を解除、孵化ができる状態になります。
卵に黒っぽく色がついていない未受精卵は孵化しません。
同じように卵に色がついていない非休眠卵は産卵後10日位で孵化し冬を越しません。

蚕の卵
孵化期間
10~14日
孵化開始
越年休眠卵

卵を冷蔵室から出して飼育ケースに入れます。
孵化の時期を揃えるためには昼は明るく(16時間)、
夜は暗く(8時間)に催青期まで明暗を調整します。
目標孵化温度25℃~26℃、湿度75~80%が最適です。
27℃以上だと障害がでるおそれや孵化した蚕が弱ってしまいます。

孵化
3~4日前
点青期孵化する3~4日前に卵の色が変わり始めます。
卵の中で幼虫の頭から着色するので青い点が見えます。
孵化
1~2日前
催青期
(さいせい)
孵化1~2日前には卵の中でほぼ幼虫の体になります。
幼虫の体全体が着色して卵は青く白っぽくなってきます。
孵化の時期を揃えるためには卵の色が青色に白っぽくなりましたら、夕方に黒い紙に包むか、箱などに入れるなどして卵に光を当てないようにします。(数頭孵化しました。)
翌日2夜包み催青になった卵を遮光のために包むのを、(1夜包みとか、三晩包むと3夜包み)と言います。
(包みの中で数頭孵化しました。)
翌々日初発日
(孵化日)

翌々日の朝、包みを開け蛍光灯・電球で卵に光を当てると蚕は、一斉にふ化を始めます。
当店ではこの日に人工飼料をあたえ、ふ化した蚕は匂いに誘われて人工肥料に集まります。)
明暗を調整した場合ふ化は1~2日で終わります。
蚕はアルカリ性の液を出して卵殻を軟らかくし、口で孔をあけ卵から出てきます。
※太陽光は直接当てないでください。電球は近すぎると温度が高くなりますので卵から1m以上は離して下さい。

 孵化日

夜までにほとんどの蚕がふ化を終えました。
(数頭ふ化しないのが残りました。)
孵化直後の蚕はアリのように見えることから蟻蚕(ぎさん)、また長い毛がはえているので毛児(けご)とも呼びます。
掃立(はきたて) 蚕がふ化を終えるか翌日に幼虫を、飼育する容器(蚕座)に移して飼育を始めます。

毛子

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