蚕を桑の葉で飼育するには

蚕を桑の葉で育てるには、桑の葉をとる場所を事前に確保しておく必要があります。
桑の葉に農薬がかかっていない事を必ず確認し、許可なく私有地や公園での採取はしてはいけません。
桑の木を探しに行く場合は必ず大人の人と一緒に行き必ず安全を確保してください。
採取は長靴と長袖、長ズボン、帽子の着用し、虫やヘビが居るので茂みに入るのは危険です。

蚕の桑の葉飼育の準備と採取

カイコ10頭飼育で桑の葉の目安量(多めの分量)

4令は2匹で1日1枚程度 5日間で25枚
5令は1匹1日1枚程度、7日間で70枚
4令以上の蚕には枝の先の色の薄い葉よりも、大きく育った葉の方が栄養価も高く乾燥しづらくなります。

※ 桑の葉で飼育したカイコは人工飼料を食べませんのでご注意ください。
人工飼料から桑の葉への変更は問題ありません。十分に桑の葉を確保出来ない場合は、5令後半からの桑の葉飼育をお勧めします。

桑の葉の保管方法

準備するもの・桑の葉を保存する2ℓくらいの大きな深いタッパー容器を、洗って乾燥させておく

  1. ボールに水道水をはり、桑の葉を入れて水を変えながら何度かゆすり洗いをします。
  2. たっぷりの水道水に30分間ほど桑の葉を浸します。
  3. 軽くすすいで水を切り、汚れのとれていない物は捨てます。
  4. 1枚ずつタオルに挟んでしっかりと水気をとり、タッパーに重ねるようにして入れ、冷蔵庫(野菜室又は冷蔵室)に保管すると1週間ほどの保存ができます。

濡れた桑の葉を蚕に与えると病気になりますので与えないでください。また、濡れていると桑の葉が黒くなる場合があります。そのように傷んだ桑の葉は与えないようにしましょう。

飼育容器の準備

飼育容器は、蚕輸送用の箱や、タッパー、お菓子の箱などで飼育することができます。

  • 飼育容器の底に新聞紙やコピー用紙などの紙を敷く
    掃除の際に紙ごと捨てると清潔を保てます。
  • ティッシュを濡らして小さいプラスチック容器に入れて飼育箱に入れ湿度を保つ
    乾燥を防ぐため、湿度が70%より高い場合は必要ありません。

桑の葉を蚕に与えて飼育する

1日分の桑の葉を朝から晩まで3回に分けて与えましょう。
桑の葉が乾くと食べませんので桑の葉が乾いたら追加で新しい桑の葉を与えてください。
朝に桑の葉を与える際に掃除をします。蚕を手でつまんでほかの場所に移しますが、蚕が茎を掴んで離れない場合は無理に剥がさず桑の葉のまま移動します。
糞や食べ残しを容器の底に敷いた紙ごと捨て、新しい紙を敷いて桑の葉の上に蚕を優しく置きます。
昼と夕に桑の葉を与える時は、蚕の上にそっと置きましょう。

飼育日程の目安

餌の量は10頭の蚕を飼育する場合の目安ですが、実際は乾燥して追加したり、食べ残しを捨てるため、表よりも多く桑の葉の量はを余裕をもって用意してください。

最低限必要な餌の量 (10頭分)

1日1頭単位10頭1日量10頭が令の間に必要な量
4令半分5枚25枚(桑の葉の乾燥を防ぐため多く与えますので食べ残しが出ます)
5令1枚10枚70枚(200g以上)

標準飼育日程

日数 桑の葉の量 蚕の様子と行うこと
配達日 適量 輸送容器に桑の葉を1枚入れ、桑の葉に移った蚕を飼育容器に移します。 配達日は脱皮をしたばかりでまだ動かない蚕もいます。
無理に動かさず、桑の葉に移った蚕から飼育容器に移動します。
4令1日目 1日5枚 朝に掃除をし、1日3回桑の葉を与えます
4令2日目 1日5枚 同じ世話をします
4令3日目 1日5枚 同じ世話をします
4令4日目 1日5枚 同じ世話をします
4令5日目 (4眠) 適量 足下に糸をはいて足場にし、頭を上げ動かない蚕がいる場合は眠に入っていますので掃除をしません。
餌の量は、眠が近くなると食餌量が減りますので様子を見て適量を与えてください。 標準の飼育日程では眠(脱皮前に動かなくなる状態)ですが、飼育環境により飼育日程が延びる事があります。
眠になってから24時間ほどで脱皮をし、5令になります。 脱皮のタイミングには個体差があり脱皮前後は蚕に触れないようにしましょう。
5令1日目 (起蚕) 適量 蚕は脱皮後(起蚕)すぐには餌を食べません。ほぼすべての蚕が脱皮をしたら餌を与えます。(半日〜1日後)
5令2日目 1日10枚 朝に掃除をし、1日3回に分けて桑の葉を与えます
5令3日目 1日10枚 同じ世話をします
5令4日目 1日10枚 同じ世話をします
5令5日目 1日10枚 同じ世話をします
5令6日目 1日10枚 同じ世話をします
5令7日目 1日10枚 同じ世話をします
熟蚕・営繭 適量 営繭(繭を作ること)が始まります。体が少し黄色くなり、糸を吐いたり、繭を作る場所を探し回る蚕はまぶしに移します。 標準の飼育日程は、飼育環境により飼育日程が延びる事があります。 まだ桑の葉を食べている蚕には桑の葉を与えてください。